学習指導要項は何が変わるの?
2022年から高校の学習が変わることはご存知でしょうか?
2020年には小学校、2021年には中学校での学習指導要領が改訂されました。
そして2022年は高校での学習指導要領改訂され、新1年生のみ適用されます。
ゆとり世代など耳にしたことがあると思いますが、学習指導要領は時代の流れにあわせて大体10年のサイクルで改訂されていきます。
今回の改訂の背景は、発展し続ける科学技術らグローバル化など、新しいものが次から次へと舞い込んだり、変化し続けている世の中です。そのような変化に順応できるような能力を育てるために今回の改訂がされました。
ですが、「実際何が変わったのかよくわからない?」「改訂されたことによるメリットはなに?」と感じる親御さんもおられるはずです。
そこで今回は、高校における学習指導要領改訂は具合的にどんなものなのかを簡単に説明していきたいと思います。
これまではとりあえず知識をつけていく、インプット中心の学習スタイルでした。今回重視されるのは、それらの知識を生かして、伝えるための判断力·思考力·表現力などのアフとプットをする機会を増やすことです。
つまり「考える力」というのを養っていくことに重きをおいて授業を行なっていきます。
具体的な変更のポイントを各教科ごとに説明します。
①国語
国語は、他の教科でも必要不可欠になってくる大事な科目です。
インターネットが普及し、小説を読むという習慣が昔よりも減ってきました。
そのため、語彙の量と質を高めていく必要があります。
先ほど述べたようなインターネット普及による情報社会に対応するために、どの情報が的確か見極める能力を身に付ける授業が行われます。
さらに、これらの授業のなかで「どういう考え方か?」というのを問いただしていくことで考える力を養います。
②英語
英語は、入試制度の大きな変化に伴い学習スタイルもかつてのものと大きく異なります。
聞く·書く·話す·読むの4つのポイントをバランスよく身につけていくことが目的とされています。
かつては、入試に向けて単語力の強化や長文読解等に重点を置いていましたが、生きた英語を使えるように発表など、自分の考えを英語で表現し話す機会を増やしていきます。
③数学
数学では、得た知識から活用していくことが必要となってきます。
数学のテストの問題はやはりある程度傾向というものがあります。
ですが、テストの中の問題としてではなく、日常生活においても、数学的な視点から、自分自身で問題提起を行い、今まで学んできた知識を活かし問題解決をしていく能力を身につけることが大切になってきます。
また、数学Ⅲ·数学B·数学活用の一部を移行した数学Cが新たに導入されました。
④理科
理科も数学と同様に科学的な法則や原理などの知識を身につけ、疑問を持ったことについて深く追求していく能力を見につけていく必要があります。
⑤社会
今回の改訂では特に公民に大きな変化がありました。
従来どうり、基本的な知識と技能を身につけ、それらを活かして現代の社会的な課題の解決策を考えていく能力を身につける授業がされます。
また、地歴の必修科目として「地理総合」·「歴史総合」、公民に必修科目として「公共」が新設されました。
⑥情報
情報化が進む現代で必須になってくる、情報モラルや情報の活用方法などを身につけていきます。
これまで徐々に情報の授業に力を入れてきていましたが、今回の改訂では情報の授業を必修とし、全生徒のが情報スキルを身につけることとなりました。
プログラミングや情報デザイン、シュミレーションを通じて、情報の取捨選択を行い、情報をうまく活用していく術を学んでいきます。
⑦家庭
自分の生活設計に実際に役に立つ知識を学んでいきます。
具体的には、資産運用のようなお金の授業であったり福祉や高齢者の関わりなど、予測しがたい将来に向けての知識を身につけ、問題に対処していく力を養っていく授業が進めれらます。
⑧総合的な探求の時間
今までの「総合的な探求の時間」は、決められた探求プロセスに沿って学習するのが主でした。
新たな「総合的な探求の時間」では、自分とは何か、どう生きていきたいのかなど自分自身と見つめ合いながら、課題を見つけて解決していく能力を養っていきます。
各教科でそれぞれ学んできた知識や言語能力などを活用していくことが目的です。
まとめ
今回は学習指導要項の変更によって、各教科具体的な変更点を紹介していきました。
全体を通して言えることは「粘り強く考える力」を育てていくための授業になっているということです。
以前までは、知識をひたすらにインプットして、それをテストなどでアウトプットするという方法がとられていました。
しかし新たな方針では、知識をインプットするのに加え、実際の生活でも活かすことや、自分自身で考え抜いて解決策を導き出すことが重要視されるようになっています。
常に変化し続ける社会において必要不可欠なスキルを身につけることができるはずです。
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