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【元素を楽しく学ぼう】~鉄(Fe)~

こんにちは!夜に見ている人はこんばんは!家庭教師ひのきあすなろスタッフの百田(ももた)です。

ひのきあすなろのマッドサイエンティスト(自称)の僕、百田が元素について熱く語っていくコーナーです。
このシリーズを通して、化学の面白さ、身の回りの物がどのような原子や分子で出来ているのかを知ってもらえると嬉しいです。

皆さん、元素周期表をお手元に準備して、めくるめく化学の世界にいらっしゃいませ!!

第14回目の今回は原子番号26番の鉄(Fe)です。この辺からザ・金属って元素になっていきます。

それでは、鉄(Fe)に向かってレッツ・サーチ・エレメンツ!

文部科学省 学習指導要領「生きる力」

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/index.htm
目次

鉄の基本情報

原子記号:Fe
原子番号:26
分類:金属
色:銀白色
状態:固体

鉄は和名で「くろがね」と呼ばれる、基本中の基本の金属です。地球内部の約30%に含まれていて、地磁気を発生させる原因となっています。また、地球に鉄が含まれることは地球誕生前に超新星爆発が起こっていたことを証明します。

純粋な鉄は白い金属光沢がありますが、イオン化傾向が高いため、湿った空気中では簡単にさびてしまい、色は褐色に変色します。

合金としては炭素などを配合した「鋼」が有名です。錬金術師ですね。

鉄の生成方法や確認方法

鉄は鉄鉱石を融解することによって得られます。
3Fe₂O₃+CO→2Fe₃O₄+CO₂ 【200~800℃】
Fe₃O₄+CO→3FeO+CO₂ 【300~800℃】
FeO+CO→Fe+CO₂ 【400~1000℃】
FeO+C→Fe+CO 【950℃以上】
このように段階的に還元反応をしていくことによって鉄を得ます。
日本では八幡製鉄所が有名ですね。

有名な鉄の化合物たち

エントリーNo.1:酸化鉄(Ⅱ)(FeO)

酸化鉄(Ⅱ)は黒色の粉末状の物体です。錆は 酸化鉄(Ⅲ)Fe₂O₃とは別の物質なので注意が必要です。このようにFe²⁺とFe³⁺と存在がするのも遷移元素の特徴の一つです。
シュウ酸鉄(Ⅱ)を真空中で加熱すると得られます。
FeC₂O₄→FeO+CO+CO₂

エントリーNo.2:硫化鉄(Ⅱ)(FeS)

硫化鉄は硫黄と鉄を混合すると得られます。
Fe+S→FeS
希塩酸や希硫酸と混合すると硫化水素が生成します。
FeS+2HCl→H₂S+FeCl₂
FeS+H₂SO₄→H₂S+FeSO₄

エントリーNo.3:塩化鉄(FeCl₂、FeCl₃)

塩化鉄(Ⅱ)は無水物が淡黄色粉末で、四水和物は黄緑色をしています。溶液を空気に放置すると酸素により酸化され塩化鉄(Ⅲ)に変化します。
鉄と塩化水素の反応で得られます。
Fe+2HCl→FeCl₂+H₂

塩化鉄(Ⅲ)は水和物が黄褐色、水に溶かすと赤褐色になります。有機化学のフェノール類の検出に用いられます。
塩化鉄(Ⅱ)と塩素の反応で得られます。
2FeCl₂+Cl₂→2FeCl₃

エントリーNo.4:硫酸鉄(FeSO₄、Fe₂(SO₄)₃)

硫酸鉄(Ⅱ)は青緑の結晶で、鉄に希硝酸を加えて得ることができます。
Fe+H₂SO₄→FeSO₄+H₂
硫酸鉄(Ⅲ)はバラ色の結晶で、硫酸鉄(Ⅱ)水溶液に硫酸と硝酸を加えると褐色溶液として得られます。

鉄についての小話

鉄は国家なり

世界史のお話です。鉄器時代の開始は、今からおよそ3200年前といわれます。ちょうどヒッタイト帝国が終焉を迎え、古代オリエント世界は一気に青銅器時代から鉄器時代に入っていきました。

お隣の中国では、世界に先がけて銑鉄が作られるようになり、この銑鉄を鋳型に流し込んだ鋳造鉄器とよばれる鋳物の鉄製品が作られるようになりました。

日本の弥生時代中期ごろになると、鉄で作られた鉄斧の破片などが北部九州を経由して日本に運ばれ、再利用され始めました。

中国や朝鮮半島で行われていた製鉄は、間接製鋼法とよばれ、鉄鉱石を加熱、溶融して溶けた鉄鉱石を撹拌し、銑鉄を生産してから鋼をつくるのが主流でした。しかし、日本では、鉄鉱石や砂鉄を比較的低い温度で加熱し、溶融せずに直接、海綿状になった鉄塊(錬鉄)にする独自な製法(直接製鋼法)が作りだされたのです。これが「たたら製鉄」とよばれる製鉄法の基礎になっています。

さて、鉄についての理解が深まりましたでしょうか??
少しでも「面白いな」とか「分かりやすい」と思ってくれたら嬉しいです!

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他にもこんな原子記号を紹介しています

水素(H)ヘリウム(He)炭素(C)窒素(N)酸素(O)
フッ素(F)ナトリウム(Na)マグネシウム(Mg)アルミニウム(Al)ケイ素(Si)
硫黄(S)塩素(Cl)カルシウム(Ca)鉄(Fe)銅(Cu)
銀(Ag)金(Au)水銀(Hg)鉛(Pb)ウラン(U)
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