わが子の「吃音治療」希望すてないで
「ぼ、ぼぼ、ぼくは」。「き、きょう」。「ママ•・・あのね」。言葉の発音がうまくできない「吃音」は、国が「発達障害者支援法」で定めた「発達障害」です。基準にそって手帳を受け取り、支援を受けることができます。世界人口の100人に1人があるというこの障害は、世間の理解が低く、当事者は人生のあらゆる場面で苦しんでいます。プレッシャーになるような治療は控え、正しく理解していくことが、解決への近道です。
※この記事はエッセイ記事なので、個人の感想によって作られています。そのため、主観的な感想等が散見されますので予めご了承下さい。
筆者と吃音
執筆時29歳の筆者にも吃音があります。私は幼い頃から早口でした。思えば幼少期から症例はでていたのですが、明確に意識したのは思春期に入った中学1年生の時。理科の授業で教科書の音読を教師から命じられたときです。「高い」の「た」の字が読めませんでした。周りの嘲笑、教師の怪訝な顔はいまでも明確におぼえています。「俺、どうしたんだろう」。吃音症を知らない13歳は立ちすくみ、顔を真っ赤にしていました。
吃音は高校生になっても変わりませんでした。小学生時代はスルーしていた同級生たちは、容赦なくからかい、真似をされたことで、深く傷つきました。周りの大人たちは「もっとゆっくり」と怒鳴りつけてきます。「ゆっくりとかそういう問題じゃない。言葉が出ないんだ」。心で何度もつぶやきました。「なぜ俺は言葉が出ないんだろう」。当時手にしたばかりのガラケーで検索すると、「吃音」の文字が。初めて自分が抱える「障害」を知りました。
正しい対応どうやって(当事者目線から)
筆者は、言語聴覚士(医療機関などで働く言葉や聴覚の専門職)の資格を持っていません。しかし当事者である子どもたちの気持ちは、痛いほど分かります。
吃音には大きく分けて2つの分類があります。
①発達性吃音
②獲得性吃音
子どもの場合ですと、多くの場合は成長過程で現れる①です。②は事故による後遺症などです。私と同じように早口から始まるものも。時がたち、自然に治る場合もあります。医療機関や学校の「ことばの教室」では医学的根拠に基づいた発声練習を行い、改善を目指しているようです。吃音当事者の私はこれらの行為は、かえって悪化を招くのではと懸念しています。
治そうとすれば、悪化する?
私は吃音を起こすたびに周囲から「もっとゆっくり」と叱られてきました。実は社会人になった今もたまにあります。「なんとか改善してあげたい」。叱るのはみな心配してのことだったのでしょう。残念ですが当事者からみれば、これらは吃音を悪化させるだけです。 「ぼ、ぼくね、き、きょう」子どもがきょう学校であった出来事を報告しにきました。うまく発音できない子どもをあわれみ「もっとゆっくり」と注意したとします。こうした親心と裏腹に、当事者の脳内では「あぁ、上手く発声できないと怒られるんだ」との思いが巡り、トラウマのようなものが生まれます。バカにするのはもってのほか、吃音にふれること自体がタブーなのです。
一番の治療は「会話を楽しませる」
「そんなことをいっても子どもがかわいそう。何とかしていきたい」と思うのが、親心なのでしょうか。私の母もそうでした。吃音当事者の私が思う最善の治療を紹介します。それは「会話を楽しませる」です。 「ぼ、ぼくね、き、きょう」。子どもが話しかけてきました。あなたがすべきことは「うん。それで」。「楽しかったね」。普通に話を聞くことだけです。断言します。これはかなり重要です。
自分に例えて考えてみてください。人に何かを打ち明けるとき、共通する感情は「聞いてほしい」のはずです。たとえ、言葉が連発しても「聞いてもらえる」ことで、この欲求は満たされます。子どもは話すことが楽しくなるでしょう。吃音は不思議なもので、楽しかったり、何かに夢中になっていると、あらわれにくくなるのです。おそらく。「聞いてもらえた」という喜びで脳内に一種の快楽物質のようなものが出るのでしょう。やがて症状が少なくなり、改善も見込めるかもしれません。
それでも「治療」を臨むあなたへ
医療機関やことばの教室などでの治療を否定している訳ではありません。吃音の治療を望む人にとって、これらの存在は非常に心強いものだとも思います。ただ、かつて筆者が当事者の集まり「言友会」に参加した思い出が、頭から離れないのです。
高校での辛い時間が過ぎ、大学生となったある日。「言友会」の存在を知り、参加することになりました。会場の扉を開けると、10人ほどの男女がおり、温かく迎えてくれました。「ここでは吃音でも大丈夫だよ」と言われたのは、人生初めてでした。言葉を使ったゲームや雑談で数時間の楽しい時間を過ごさせてもらいました。一方、筆者の吃音は普段に増してひどくなったのです。
親切にしてもらった人たちに、その理由は聞けません。筆者なりにその理由を分析してみました。おそらく「吃音を気にしすぎた」ことにあるのでしょう。言友会の参加者はほぼ当事者です。みな、症状に理解があります。言葉に詰まっても笑う人など1人もおりません。「吃音でもいいんだ」。「吃音」これを意識したことが私の症状をひどくしたのだと思います。1番の治療は、「吃音」という言葉を当事者の脳内から完全に消し去ることだと思います。
まとめ
これまでのお付き合いありがとうござました。筆者は「吃音」の最大の敵は、当事者自身の意識と考えています。症状がある子を叱りつけると、恐怖を植え付け学習や友人関係など人格形成に多大な影響を及ぼします。大人になった私は、症状を気にしないよう努力しています。バカにされたり、いまだ叱られることもあります。表面では笑っていても内心は辛いです。一方気にしないことで症例は軽くなっていると自負しています。皆で会話を楽しみましょう。
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