【元素を楽しく学ぼう】～硫黄（S）～
こんにちは！夜に見ている人はこんばんは！家庭教師ひのきあすなろスタッフの百田（ももた）です。
ひのきあすなろのマッドサイエンティスト（自称）の僕、百田が元素について熱く語っていくコーナーです。
このシリーズを通して、化学の面白さ、身の回りの物がどのような原子や分子で出来ているのかを知ってもらえると嬉しいです。
皆さん、元素周期表をお手元に準備して、めくるめく化学の世界にいらっしゃいませ！！
第11回目の今回は原子番号16番の硫黄（S）です。温泉や火山の時によく出てきますね。
それでは、硫黄（S）に向かってレッツ・サーチ・エレメンツ！
文部科学省 学習指導要領「生きる力」
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/index.htm
目次
硫黄の基本情報
原子記号：S
原子番号：16
分類：非金属
色：黄色
状態：固体
不対電子：2つ
硫黄は淡黄色で無臭の固体です。燃やすと青色の炎を出します。よくいう「硫黄の香り」は実は硫黄単体ではなく、硫化水素（H₂S）といった化合物の香りです。
硫黄には実は魅力がたくさんあり、同素体が30以上存在します。これは他の元素と比べても圧倒的な多さです。理由はカテネーションという同種元素の原子が長鎖状に結合する性質があるからです。
また、ゴムに数パーセントの硫黄を加えて加熱（加硫）すると（架橋により）弾性が増し、さらに添加量を増やすと硬さを増す加工が可能となり、最終的にはエボナイトとなります。車のタイヤにとってすごく重要です。
硫黄の生成方法や確認方法
硫黄は化合物としても、単体としても天然から多く採取することができます。
硫化水素と二酸化硫黄を混ぜることによって、硫黄の単体を取り出すこともできます。
2H₂S+SO₂→3S+2H₂O
単体硫黄を産出することで、古来からイタリアのシチリア島が有名です。現代ではハーマン・フラッシュが1891年に開発した、高温高圧の水を鉱床に吹き込み硫黄を液化させて回収するフラッシュ法で、アメリカのテキサス州やルイジアナ州、メキシコ、チリ、南アフリカの鉱山で大量に採掘されます。
有名な硫黄の化合物たち
エントリーNo.1：硫酸（H₂SO₄）
酸素の記事でも登場しました。強い酸性を示す硫酸です。
濃硫酸と希硫酸がありましたね。濃硫酸の希釈方法は覚えていますか？水に濃硫酸を垂らしていきます。
反応的な側面を見ると、1族や2族の水酸化物と反応し、塩を形成します。
エントリーNo.2：硫化水素（H₂S）
水素の記事で登場しました。腐った卵の匂いがするやつです。匂いは直接嗅いではだめですよ。
こちらは酸性を示しますが、弱い賛成です。戦国時代は鉄砲の火薬に用いられたそうです。
エントリーNo.3：二酸化硫黄（SO₂）
こちらも既に登場した化合物です。この子も匂います。
酸性雨の原因になったり、大気汚染や環境問題の原因となっている化合物です。
エントリーNo.4：硫酸バリウム（BaSO₄）
バリウムイオンと硫酸イオンからなる化合物です。
僕の大嫌いな人間ドックに用いられます。あのバリウムは苦痛でしかないです。だれかこの硫酸バリウムに変わる素晴らしい塩を見つけて欲しいです。
硫黄についての小話
地球上の硫黄循環
硫黄は微生物にとって貴重な栄養です。酵素、たんぱく質、ビタミン、ホルモンなどを作るために重要な元素です。
その硫黄を蓄えた微生物が分解され（そのため、海は潮臭いのです）、硫酸イオンなどになり、大気中を移動します。その後、雨と共に地上に降りて、再び海や地上の微生物や植物などの生物へ循環していると考えられています。
さて、硫黄についての理解が深まりましたでしょうか？？
少しでも「面白いな」とか「分かりやすい」と思ってくれたら嬉しいです！
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