誰も教えてくれない!算数と数学のギャップ
小学校で習う「算数」と中学生で学習する「数学」ですが、いったいどこがどのように違うのでしょうか。
一番多く返ってきそうな答えが「算数をもっと難しくしたものが数学」なのではないかと思います。
しかしながら、この答えはまったく間違っているとも言えませんが、正解にはかなり遠いと言わざるを得ません。言葉の定義はさておき、現実的な問題として、小学校から中学校に上がる際にこの「算数」と「数学」の違いを上手く認識できないために苦しむ生徒が多いのです。
そこで今回は、この2つの教科名の間に潜んでいるギャップによって引き起こされる「学習のつまずき」について考えてみたいと思います。
文部科学省 学習指導要領「生きる力」
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/index.htm
バラバラな項目を寄せ集めた「算数」
それでは、先述の「算数」と「数学」の違いについてもう少し掘り下げて考えてみましょう。
この2つの教科名の違いは、サッカーというスポーツに例えてみると分かりやすくなるかもしれません。
まず、「算数」はサッカーにおいて何に相当するのか。それは「リフティング」や「ドリブル練習」や「シュート練習」といったバラバラなのサッカースキルの寄せ集めに近いものがあります。
例えば、「リフティング1000回できます」とか「ドリブルで3人は余裕で抜けます」と豪語する天才サッカー少年の話はよく聞きます。
しかし、それだけをもって「優秀な選手」や「活躍できる選手」であると言えるでしょうか。
また、それらのスキルだけで実際の試合においてゲームを組み立てることができるでしょうか。
考えながら活用していく「数学」
これに関しては、面白い逸話があります。
とあるドイツ人の有名なサッカー選手が来日した際、日本のテレビ局がある企画を立てました。
それはリフティングの回数の日本記録を持つ小学生を呼んできて、その華麗なる技術を見てもらおうというものでした。その小学生は見事なリフティングを披露し、調子づいたテレビ局のスタッフがこう言いました。
「どうでしょう、この子ならすぐにでも海外リーグで活躍できるのでは?」
しかしながら、ドイツ人サッカー選手から返ってきた言葉は冷静で辛辣なものでした。
「いや、この少年のやっていることはただの曲芸だ…」
この逸話は「算数」と「数学」の間に存在する、見えない大きなギャップを言い当てているかもしれません。
つまり、サッカーの試合で求められるのは、単にバラバラのスキルを上手く統合してそれらを実際の試合の中で「考えながら」活用していく能力です。この高度な統合能力が求められる点こそが「数学」にもピタリと当てはまるのではないかと思います。
しかし残念ながら、このギャップがあることに気づけないで小学校から中学校に上がる際に大きくズッコケてしまう生徒は意外に多いのです。
計算が速いだけじゃ「数学」は成り立たない
実際に私が見てきて生徒の中にも、このような子は数多くいました。
例えば、ある男子生徒は小学校で無類の「計算スピード王」として名を轟かせ、本人も周囲も当然、中学生の数学で大活躍するものと思い込んでいました。
確かに、中学1年生の2学期半ばくらいまではそれなりの数学の成績でしたが、中学2年生以降はみるみる下降していき、中学3年生になるともはや「普通の子」レベルに落ち着いてしまいました。
彼は、単なる「計算が速いだけ」の人だったのです。
まあ単純な計算問題は確かに強かったのですが、設問を読んで物事を論理的に組み立てたり、複数の事象を分析して統合するような問題ではサッパリでした。特に、単なる計算問題に終わらない中学2年生の「1次関数」や「図形の証明」では大苦戦を続けました。
にもかかわらず、生半可に小学校での活躍が成功体験として残っていたため、彼は自分のやり方を曲げませんでした。何度指導しても「自分は計算が速いからすごいんだ!」と言わんばかりです。
これを自転車に例えると、他の生徒たちはとうの昔に補助輪を外して自分のバランス感覚で自由に走り出しているのに、彼だけがまだ補助輪を付けたままで汗だくになりながら必死にペダルをこいでいるような状況です。
なんとかしてあげたかったのですが、小学校の頃に身に付いた強固な悪癖を引き剥がすことはできませんでした。
ギャップへの意識
このような悲劇を繰り返さないためにも、小学校から中学生をつなぐ指導はとても重要になります。
例えば、小学校高学年の担任の先生には「計算コンテスト」や「計算スピード競争」のような単純スキルの反復だけでなく、計算過程をじっくりと書かせたり、解答に至るまでの過程を生徒自らの口で説明できるような指導を増やしてほしいものです。
もし小学校での指導が計算スキル中心ならば、学校だけに頼らずにご家庭で文章問題などを補充する必要があります。
また、中学校の先生、特に中1を担当される先生はこのようなギャップが存在することを強く意識していただき、やはり計算一辺倒ではない指導を心がけていただきたいと願います。
まとめ
「算数」と「数学」の間に潜むギャップは思ったより大きくて、ある意味「命取り」になりかねない問題です。
そんなギャップの存在に、生徒本人が気づいて改善すれば一番良いのですが、現実には難しいものです。
そのような場合は、学校や保護者を含めた周囲の大人ができるだけ早く対処してあげなければなりません。
いったん算数と数学のギャップでつまずいてしまうと、さらにその先の高校や大学でのハイレベルな数学のみならず物理・化学といった他教科にまでもたどり着けなくなってしまうのですから。
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