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【理科】完全保存版!前線・気圧配置について

テレビで天気予報が流れていると思う。
そのとき、「〇〇前線が・・・」と聞いたことはありませんか。

今回はその前線や気圧について勉強するよ。
また日本には四季があって、それぞれ天気に特徴があるよね。これがどうしてあるのか確認していこう。

文部科学省 学習指導要領「生きる力」

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/index.htm
目次

前線

日本は北半球にあるね。北半球では一般に南に行けば高温になって、北に行けば低温になる。
また、海の上は海水が蒸発して多湿になりやすいけれど、大陸側の空気は乾燥していることが多い。
このように同じような性質をもった空気の集まりを「気団」と呼んでいるよ。

例えば寒気と暖気のように、性質の異なった気団がぶつかったとする。
これらの気団は混ざり合わずに、境界面ができる。この境界面を「前線面」というんだ。
この前線面が地表と交わった部分には線ができる。この線を「前線」と呼んでいるよ。

前線には次の4種類がある。それぞれ説明するよ。

  1. 寒冷前線:寒気の方が暖気より勢力が強くなったときにできる前線。
  2. 温暖前線:暖気の方が寒気より勢力が強くなったときにできる前線。
  3. 停滞前線:寒気と暖気の勢力が同じときにできる前線。梅雨や秋の長雨はこの前線が日本付近に停滞しているのが原因。
  4. 閉そく前線:寒冷前線が温暖前線に追いついてできる前線。

前線と天気

さっき前線が4つが出てきたね。
そのうちの寒冷前線、温暖前線には通ったあとの天気に特徴があるよ。
そのことについて確認しよう。

日本付近の低気圧は前線をともなうことがある。
一般的に、低気圧の中心から南西方向にのびているのが寒冷前線、南東方向にのびているのが温暖前線だよ。

寒冷前線は、「寒気が暖気の下にもぐり込み、暖気を押し上げる」ようにして進むんだ。
そして、暖気は上に押し上げられ「上昇気流ができる」ため、「積乱雲」が発達する。

温暖前線は、「暖気が寒気の上をはい上がるようにして上昇する」ため、「乱層雲」ができるよ。

寒冷前線で発達する「積乱雲」は縦長にできる。そのため通過したときは、「狭い範囲に激しい雨が短時間降る」
寒気がやってくるので、通過後は「急に気温が下がる」。風向きは「南寄りから北寄り」に変わる。  

温暖前線では空全体をおおうような「乱層雲」ができるので、温暖前線が近づいてくると「広い範囲におだやかな雨が長時間降り続く」
通過した後は、暖気におおわれるから「気温が上がって」、天気が回復する。風向きは「東寄りから南寄り」に変わるよ。

次に、晴れた日と雨の日の特徴をチェックするよ。

よく気温、気圧、湿度、〇時間ごとの天気、風向、風力を表したグラフが問題に出てくることが多い。
特に寒冷前線が通過したタイミングなど問われているよ。
それぞれの特徴や、グラフで前線が通過したと判断するポイントを説明するよ。

晴れた日は気温の変化が大きく、一般的に気温は「午後2時ごろ」もっとも高くなると言われている。
そして、「気温が上がると湿度は下がり、気温が下がると湿度は上がる」。
つまり、 「気温と湿度は逆の変化をする」。

雨の日は、「湿度が高く、気温の変化が小さい」のが特徴だ。
観測点で寒冷前線が通過したと考えられるのは何時か?と問われたら、気温と風向きに注目しよう。
グラフの中の「気温が急に下がって、風向が南寄りから北寄りに変化する」時間帯があれば、そこで寒冷前線が通過したと考えることができる。

しっかり覚えておこう。

気団と季節の天気

日本付近には、4つの気団がある。これらの発達する時期によって、特徴的な天気になっているんだ。
4つの気団は「シベリア気団」「オホーツク気団」「小笠原気団」「揚子江気団」だよ。
大陸側にある気団は乾燥していて、海側にある気団は湿っているよ。

また、高緯度で北の方にある気団は気温が低く、低緯度で南の方にある気団は気温が高いのが特徴だ。
各気団の特徴を下にまとめているよ。

・シベリア気団:ロシアのシベリアの方からやってくる冷たく、乾燥した気団。
・オホーツク気団:オホーツク海の方からやってくる冷たく、湿った気団。
・小笠原気団:日本の小笠原諸島からやってくる温かく、湿った気団。
・揚子江気団:中国の揚子江の方からやってくる温かく、乾燥した気団。

次に各季節の天気図に見られる特徴とその天気について説明するよ。

春・秋

春・秋には、揚子江気団の一部が高気圧になり、その高気圧が「偏西風」の影響で日本にやってくる。
この高気圧を「移動性高気圧」と呼んでいる。

高気圧と高気圧の間に低気圧が発生して、移動性高気圧と低気圧が交互に通過することで周期的に天気が変わっていくのが特徴なんだ。
だから、春・秋は天気が変わりやすいんだね。

天気図を見るとき、間にできた低気圧をポイントにすると見分けやすいよ。

梅雨

初夏にずっと雨が降り続く梅雨が来るね。
これは「オホーツク気団と小笠原気団の勢力が同じくらいになり、その境界に停滞前線ができる」。

この停滞前線が日本付近にずっととどまるから、雨が降り続くんだ。
このときの停滞前線を「梅雨前線」というよ。  

また、秋にも同じような天気になることがあるね。
そのときの停滞前線は「秋雨前線」といわれているんだ。

天気図には東西に停滞前線がのびているから見分けやすいよ。

梅雨が明けると、蒸し暑くて晴れた日が続く夏がくるね。
これは梅雨のときより小笠原気団の勢力が強まって、「日本列島が高気圧におおわれる」からなんだ。

夏の南に高気圧、北に低気圧がある気圧配置を「南高北低」というよ。覚えておこうね。

南東の季節風が吹くから、蒸し暑く晴れた日が多くなりやすいよ。

シベリア気団が発達して、大陸側に高気圧、海洋側に低気圧のある気圧配置になる。
この気圧配置を「西高東低」というよ。

天気図では「等圧線が南北に狭い感覚で並んでいる」のが特徴。
北西の季節風が吹くから、日本海側では雪が降って、山を越えて乾燥した風が太平洋側に吹きつけるよ。

台風

台風は、熱帯低気圧が発達して中心付近の最大風速が17m/s以上になったものなんだ。
天気図では「等圧線はほぼ同心円状になり、前線をともなわない」ことが特徴だよ。

まとめ

寒冷前線、温暖前線には次のような特徴があったね。
問題によく出てきているから、しっかりおさえておこう。下にまとめているよ。

・寒冷前線の特徴
●主な雲          「積乱雲」
●雨の様子         短時間で激しい雨
●雨の降る範囲       狭い
●通過後の気温       下がる
●通過前後の風向の変化   南寄り→北寄り

・温暖前線の特徴
●主な雲          「乱層雲」
●雨の様子         長時間でおだやかな雨
●雨の降る範囲       広い
●通過後の気温       上がる
●通過前後の風向の変化   東寄り→南寄り  

また、日本付近では4つの気団の影響で、特徴的な天気になることが分かったね。
「移動性高気圧」、「西高東低」など、その季節ごとに影響するワードが出てきた。
それぞれどの気団が発達して、どんな天気になるかもおさえておこう。

☆今回の重要キーワード

今回は前線や、気団の名前だけじゃなく、季節ごとの気圧配置についても勉強したね。
前線や天気の問題はよく出てきやすいから、その特徴についてもしっかり覚えておこう。

・気団:同じような性質をもった空気の集まり。
・前線面:性質の異なった気団がぶつかったときできる気団の境界面。
・前線:前線面が地表と交わった部分にできる線。
・寒冷前線
寒気の方が暖気より勢力が強くなったときにできる前線。
「積乱雲」が発達し、通過後は、狭い範囲に激しい雨が短時間降り、気温が急に下がる。
風向きは南寄りから北寄りに変わる。
・温暖前線
暖気の方が寒気より勢力が強くなったときにできる前線。
「乱層雲」ができるため、広い範囲におだやかな雨が長時間降り続く。通過後は、気温が上がり、天気が回復する。
風向きは東寄りから南寄りに変わる。
・停滞前線
寒気と暖気の勢力が同じときにできる前線。梅雨や秋の長雨のときは、 この前線が日本付近に停滞している。
・閉そく前線
寒冷前線が温暖前線に追いついてできる前線。
・シベリア気団
冬に発達する、シベリアからやってくる寒冷・乾燥した気団。
・オホーツク海気団
初夏・秋に発達する、オホーツク海からやってくる低温・湿潤し た気団。
・小笠原気団
夏に発達する、小笠原諸島からやってくる高温・湿潤した気団。
・揚子江気団
春・秋に発達する、中国の揚子江流域からやってくる温暖・乾燥した 気団。
・移動性高気圧
春・秋には、揚子江気団の一部が高気圧になり、偏西風の影響で日本にやってくる高気圧。
高気圧と高気圧の間に低気圧が発生して、移動性高気圧と低気圧が交互に通過することで周期的に天気が変わりやすくなる。
・梅雨前線、秋雨前線
初夏のころオホーツク気団と小笠原気団の勢力が同じくらいに なり、その境界にできる停滞前線を「梅雨前線」と呼ぶ。
秋にできる同じような停滞前線を「秋雨前線」と呼ぶ。
・南高北低
南に高気圧、北に低気圧がある夏の気圧配置。
・西高東低
大陸側(西)に高気圧、海洋側(東)に低気圧がある冬の気圧配置。
天気図では等圧線が南北に狭い感覚で並んでいるのが特徴。

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