お子さんの発達障害が小学校生活に及ぼす影響とサポートのポイント
小学校は就学の始まりということもあり、発達障害の学習への影響や周りの子どもたちとの関わり方などについて、大きな不安を感じ始める保護者も多く見られます。
そこで今回は発達障害の主な種類と小学生の年代によく見られる特性や考えられる影響を解説。
教育や生活の上で意識したいポイントなども説明します。
発達障害の主な種類と小学生によく見られる特性
まずは発達障害の主な種類と特性、小学生において考えられる学校生活への影響などを紹介します。
自閉症スペクトラム障害
自閉症やアスペルガー症候群などを総称してこのように呼びます。
この発達障害を持つ子どもの特性としてよく見られるのは、コミュニケーションを上手く取れないというもの。
他者への興味関心が薄い、他者の気持ちを想像して接することが苦手などがその原因です。
この特性によって友達関係の構築に苦労することも。
また、自分の中に特別なこだわりを持ちやすいのも自閉症スペクトラムの特性です。
特定の物事に極度の興味を示し、のめり込むこともあります。
そのほか、自分の中で物事に決まった順番があり、その順番が乱れるとパニックになったり癇癪を起こしたりすることも。
このような特性が周りの人に異質なものととらえられ、人間関係に影響し孤立してしまうパターンも珍しくありません。
ADHD
注意欠如・多動性障害とも言われる発達障害です。
注意力が著しく不足していたり、常に動きじっとしていられなかったりなどの特性が見られます。
小学校においては、主に授業を静かに受けることができないという問題に発展する可能性が高いでしょう。
例えば授業中に自分の席を立ってしまうなどはよく見られる行動です。
中にはそのまま教室を出て行ってしまうケースも。
また、忘れ物をしたり、学校の持ち物をなくしたりといったことが頻繁に見られます。
そのほか、注意力不足や多動などの特性により、授業を受けながら黒板書きをノートに書き写すということが難しい子どももいます。
学習障害
学習障害は「聞く」「話す」「読む」など学習に必要な能力に困難が生じる発達障害です。
「知能的な遅れがあるからなのでは?」と間違って考える人も見られますが、学習障害では基本的に知能の遅れは見られません。
しかし、発達障害のない子どもと同じような学習スタイルがとれず、結果学習の遅れが発生していく可能性があります。
発達障害の子どもへのサポートのポイント
それでは、発達障害を持つ小学生の子どもをサポートするためのポイントを具体的に見ていきましょう。
子どもの特性にマッチしたクラスを考える
保護者からすれば「普通のクラスで普通に授業を受けて欲しい」ということが1番の望みかもしれません。
しかし、発達障害の子どもにとっては、普通の授業を普通に受ける、これが苦痛であり非常に困難な行動の可能性があります。
大切なのは普通の授業になじめることではなく、その子どもの特性に合った授業を受けることなのです。
そのためには、小学校のクラスの種類を知り、どのクラスが自分の子どもに最も適しているのかを考え選択することが大切です。
小学校の学級は、一般的なクラス「通常級」、特別なサポートなどを必要とする「支援級」、通常級と支援級を行き来する「通級」があります。
子どもの特性を踏まえつつ、どのような学級に通えば無理なく過ごせる環境か個人の状況を踏まえながら検討しましょう。
学校と細かくコミュニケーションを取り合う
発達障害の子どもが自分の特性と向き合いながら学校生活を送るためには、学校のサポートも欠かせません。
そして児童のサポートを学校側がきめ細やかに行うためには家庭との連携も不可欠です。
どのような支援をすれば子どもが授業を受けやすいか、子どもの特性がそれぞれなので、支援の内容も一辺倒では上手くいかない場合があります。
それぞれの子どもの特徴に合わせた支援がなされるよう、保護者は学校と細かくコミュニケーションを取り合うことが大切です。
専門の療育機関に相談する
発達障害のことで困ったことやわからないことがあったとき、気軽に打ち明けられるような相談先を得ておくことも重要です。
子どもの特性をなかなか受け止められなかったり、サポートの仕方がわからなかったり、上手く発達障害と向き合えず悩む家庭も少なくありません。
そのようなときに専門的な観点から助言やサポートを行ってくれる機関を頼れれば、ポジティブに発達障害と付き合っていきやすくなるでしょう。
例えば「放課後等デイサービス」は、小学生だけでなく、高校生まで利用できる福祉サービスです。
同じような特性を持った子どもたちと一緒に集団で過ごし、自立のための活動を行えます。家庭だけで発達障害を抱え込まず、ほかの機関の支援も頼りながら、子どもの成長を促し見守っていきましょう。
最後に
小学校は幼稚園・保育園の環境とはまた全く異なる環境です。
子どもたちは多感な時期にも差し掛かってきます。集団での学校生活を上手く送れないことに、子ども自信が悩み苦しみ、自信を失ってしまう可能性もあります。
保護者が子どもの特性を否定せず受け止め、どのように工夫すれば学校が過ごしやすい場所になるか、一緒に考え良い方法を探していくことも重要です。
小学校に就学してから、環境の変化に戸惑う保護者も多いでしょう。
しかし最も戸惑っているのは子ども自身です。
子どもにとって何が1番良いのか、一生懸命学校生活を送る子どもを第一に考え動いてあげてください。
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