大学進学はどうなるの?発達障害者の在籍数や受け入れ態勢
”「発達障害を持った子どもが大学に進学することになったが、うまくやっていけるか不安だ。」
”「発達障害を持った学生に対して、大学側は個別に配慮や対応をしてくれるのか?」”
日本の大学進学率は年々上昇しています。
令和2年度(2020年度)の調査によると、なかでも障害を持った学生の数は全体の学生数の1.09%を占めています。
これは10年前(2010年度)と比べると3倍以上で、今後もその割合が増加していくことが予想されます。
また、障害を持った学生が在籍している学校の総数は935校で、全学校数の79.7%にのぼります。
発達障害を持った学生は障害を持った学生のうち、2割ほどを占め、精神障害や病弱を抱えた学生についで増えています
そういった学生が、学生生活を快適に過ごしていくためには、周りのサポートが欠かせません
今回は、発達障害を持った学生が大学に進学した際に、十分な配慮や対応が行われているのか。大学側の受け入れ態勢について実際の事例を紹介しながら、お伝えしていこうと思います。
発達障害者の大学在籍数
全国に発達障害を持った学生はどれくらいいるのでしょうか。
日本学生支援機構によると、令和2年度時点で、障害を持った学生の数は全国で3万5341人とされています。
前年の調査よりは減少していますが、10年前(平成22年度)の調査では8810人であったため、約4倍に増加しています。
その中でも発達障害を持った学生の総数は7654人で、同じく10年前では1064人であり、6倍以上に増加しています。
このように、障害を持った学生の総数が増えていることを踏まえると、大学側はそういった学生への配慮や個別対応が求められていることが分かります。
では次に、大学がどのような対応を行っているのか、実際の事例を見ていきましょう。
大学の対応事例
ここでは、発達障害を持った学生が学生生活で問題を抱えてしまった場合、どのような対応が行われているのか。
発達障害を持った学生の具体的な申し出の内容と、それに対する大学側の対応の事例を3つ紹介します。
(出典 日本学生支援機構)
事例①:授業の内容や教室の場所が分からない
私立短大での事例です。
発達障害を持っている学生が、新しい授業の内容が1度の説明では理解できなかったり、授業を受ける教室の位置が前もってわかっていなかったりしたため、急な変更が起こった際にパニックを起こしていました。そこで大学に申し出を行うと、大学側は、講義前後の補助指導。教室位置の個別説明、保護者との連絡ノートでのやり取りを行って対応しました。
事例②:授業に集中できないのでクラスを変えてほしい
私立大学での事例です。
進級して新たなクラスで講義を受けるようになった学生が、クラスが騒がしく授業に集中できないため、クラスを変えてほしいとの申し出を行いました。学生支援室職員が確認を行ったところ、運動部に所属する男子学生達の不真面目さや多少の騒がしさはありましたが、騒がしさの程度は思ったほどではありませんでした。そこで、大学側は、学生支援室職員が授業に付き添ったり、その学生が騒々しさに耐えられない時は、5分~10分間教室を退室することを許可したりして対応しました。
学生はその対応に満足したようですが、その後、「やはり授業に集中できない。イライラして不安になるのでもう一度職員に付き添って授業に出てほしい。それが無理なら授業を休みたい。」と申し出を行いました。
学生の話を聞いてみると、騒がしさよりも運動部の男子学生たちの雰囲気が、中学高校時代に自分をいじめていた相手のイメージと重なり、精神的な不安定さをもたらしているのではないかという結論に至りました。
これらを踏まえクラス担当教員と話し、授業中その学生の隣に座って不安なことや分からないことがあればサポートしてくれる学生を紹介する旨の提案を受けました。その後、サポート役の学生を紹介し座る席を決めると、学生は安心して授業に参加することが出来るようになりました。
事例③:試験の受け方を配慮してほしい
私立大学での事例です。
書字表出障害(文字を書くことを苦手とする学習障害)を持った学生が、大学受験時に、試験の受け方を配慮してほしいという、申し出を行いました。
大学側は、試験時はネット環境の無いPCで別室受験を行なう、入学後授業を履修する際は担当教員に相談しながら障害による影響が少ない科目を決めるといった対応を行いました。
問題があれば大学に申し出る
大学進学後、お子さんの発達障害が原因で問題を抱えることがあれば、大学側に申し出を行ってみましょう。
上の事例のように、学生からの申し出に対し、多くの大学では積極的な対応が行われています。
大学側に個別の対応や配慮をしてもらうことによって解決する問題もあるかと思うので、学生本人と大学とのコミュニケーションを大切にしながら、解決案をさがしていきましょう。
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