発達障害のお子さんの高校選びはどうする?確認しておきたいポイントを解説
発達障害のお子さんを持つ保護者が悩みやすいことの1つにお子さんの高校選びがあります。
小・中学校と異なり、高校は義務教育でない分、選択肢の幅が広がります。
そのため、「子どもに本当に合う高校はどこなのか?」と考え、悩むケースが多いのです。
今回は発達障害のお子さんが高校を選ぶ際、確認しておきたいポイントを紹介します。
発達障害に理解があるか
発達障害があるお子さんの高校選びでまず重要なのは、発達障害について学校側は理解があるかどうかの確認です。
発達障害というものが存在すること、それ自体は徐々に浸透してきました。
しかし、発達障害を情報として知っていることと、理解があることは別です。
発達障害があると、その特性により学校生活に影響が出る可能性があります。
例えば授業がなかなか落ち着いて受けられないこと、そのため学習に遅れが生じる可能性があることなどはよく見られる影響の1つ。
また、集団で行う学校内の活動で周りと同じように振る舞えないことも。
そのほか、コミュニケーションの取り方が独特であるため、友達と上手く関係性を作れないなどもあります。
これらの特性を持っている場合、学校の理解なしで学校生活を送ることはとても大変です。
そしてお子さんが学校に拒否感を示してしまうことも考えられます。
学校側が発達障害の特性を理解し、寄り添ってくれればお子さんは自分なりの学校生活を送りやすくなるでしょう。
発達障害は情報としては浸透していますが、理解度は学校によって差があります。
できる限り理解度の高い学校を選ぶことはとても重要です。
傾向としては、私立高校や通信制高校に理解のある学校が多く見られます。
私立高校は各学校で独自のスタイルを形成している学校も多く、さまざまな生徒に柔軟に対応できるため、発達障害の特性があるお子さんでも理解し、受け入れてくれる可能性があります。
また、通信制高校も多様なバックグラウンドを持つお子さんを受け入れており間口が広いことから、発達障害のお子さんに対しても寛容である可能性が高いでしょう。
発達障害でも学校生活を送りやすい環境があるか
発達障害への理解があり、実際に過ごしやすい環境が整っていれば、お子さんは無理なく学校生活を送れるはずです。
例えば授業のスタイルはその1つ。
通信制高校にはオンライン授業やスクーリング授業など、普通高校ではあまり行われていないスタイルの授業があります。
オンライン授業は自宅にいながら授業が受けられるため、周りを気にせず学習できます。
スクーリングは決まった日時に通学し授業を受けるので、毎日通学する必要がなく負担が軽くなるでしょう。
毎日学校に通い大勢の生徒に囲まれて授業を受けることが難しいお子さんも、通信制高校の授業スタイルであれば自分のペースで勉強を進めやすいはずです。
また、学校に毎日通学する必要がないので、校内活動になじめず悩んだり、友達と上手く関係が構築できず孤立して悩んだりすることもないでしょう。
高校は義務教育ではないため、出席日数が足りず単位が取得できなければ進級・卒業ができないことにもなりかねません。
しかし、通信制高校はレポート提出など、対面授業を受ける以外のことで単位が取得できる仕組もが用意されており、自分のペースで学習が進められます。
そのほか、登校自体自分でスケジュールを決められる通信制高校も。
週何日行くか、何曜日に行くか、自分に合わせて学校生活をアレンジできるので、無理なく高校に通えるでしょう。
なお、スクールカウンセラーが在籍しているかどうかもポイントの1つ。
スクールカウンセラーは、生徒の心理的なケアを行うカウンセラーです。
生徒が学校生活で抱える問題や悩みを相談できる相手であり、発達障害の生徒・保護者のよりどころの1つともなります。
カウンセラーに相談しやすい環境が整っていれば、より安心して高校生活に臨めます。
高校卒業後の進路まで視野を広げられるか 高校を卒業すればそれで一件落着、というわけではありません。
大学、専門学校、就職など、高校を出た後はさまざまな進路へと進みます。
高校の先の進路も意識しながら高校選びをしたいものです。
例えば、進路を意識したコースが設けられている高校も良いでしょう。
大学進学コース、就職コースなどのほか、芸能・医療・美容などさらに具体的な進路を想定しコースが用意されている高校も。
発達障害の特性には、自分の興味のある分野をとことん追求するというものもあります。
自分が興味を引かれる進路について専門的なことを学べるコースであれば特性を活かして打ちこみ、よりはっきりした将来を描いていくこともできるかもしれません。
最後に
発達障害の特性は生活しにくくなる部分もある反面、自分の可能性を広げる武器にもなります。
そして、どのような高校がマッチするかはお子さんによって異なるので、お子さん本人の意思を尊重することは最も大切です。
お子さんが自分の特性と向き合い、上手く付き合いながら自分らしさを伸ばしていけるような高校を選びましょう。
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