臨床心理士が教える、発達障害を持つ子どもへの関わり方2つのコツ
発達障害と聞くと、ASD、ADHD、LDなどの診断名が浮かびます。もちろん、診断を受けることによってその子の特性が明らかになり、関わり方が見えてくることはよくあります。しかし、実際の多くのお子さんの場合、教科書的に典型的なASDやADHDということは少なく、それらの症状が混合化されて表れてきます。
また、さらに臨床現場で考えると、ここに愛着などの問題も加味されて、専門書に書かれているような関わり方がうまくいかないことがよくあるのが現状です。
そこで、ここでは、発達障害があるケースはもちろん、そうでないケースにも適応できるような、ユニバーサルデザイン的な関わり方を紹介していきたいと思います。
肯定文で、具体的に描写的に伝える
一つ目のコツは、肯定文で、具体的に描写的に伝えるということです。
大人が子どもに話をする場合、特に注意や指導をする場合には「~してはいけません」と否定文で話すことが多くあります。しかし、これでは、何をしてはいけないかはわかっても、何をしたら良いのか分かりません。
発達障害がある子も、家庭環境などの問題を抱えている子も「何が正解なのかが分かりにくい」と共通した特徴をもっています。発達障害がある子の多くは、周囲の空気が読めなかったり、相手が何を言っているのかを理解するのが苦手だったりして、自分がその場でどう行動したら良いのかが分からないことが多いです。
一方で、家庭環境に問題を抱えている子は、家で正しいモデルを見ていないために、こちらも、その場でどう行動したら良いのか分からないことが多いです。そこで、関わる大人は、その子にその場でどう行動して欲しいのかを具体的に伝える必要があります。また、ここで抽象的な言葉を使ってしまうと、子どもの理解がずれることがよくあります。
たとえば、本が床に落ちているのを見ると、大人は良く「物を大事にしようね」と言います。しかし、「大事にする」という方法は人それぞれであって、大事な本を飾っておく人もいれば、大事な本こそ何度も読むという人もいます。そこで、具体的に伝えることが必要になってきます。「本は机の上に置きましょう」とか「本棚に入れよう」と言えば、それを聞いた子どもは、少なくとも、この人は本を本棚に片付けて欲しいと思っていることが誰でも分かります。
具体的ということになると、数字を用いて表現することも有効になってきます。大人は「ちょっと待って」とよく言いますが、待っている子どもからしたら、どれだけ待てばよいのか分からずにソワソワしたり、イライラしたりします。
そこで、「5分待って」とか「長い針が12になるまで待って」と言えば、子どもには伝わります。 少し話が逸れますが、このように、見通しを持たせるということも重要な要素の一つです。発達障害の子も、家庭環境などに問題を抱えている子も、見通しを持って行動することがとても苦手です。そのために、その場しのぎ的な行動のみを身に付けてしまって、同じ失敗を繰り返してしまうということがよくあります。見通しを持つという習慣をつけるためも、大人が見通しを持った言葉かけをする必要があります。
子どもは大人が注目した行動を繰り返しやすい
二つ目に、子どもは大人が注目した行動を繰り返しやすいということです。
一般的には、「子どもを褒めましょう」ということがよく言われていますが、実際に子どもたちと関わると、それだけでは不十分だということが分かります。特に、小学校高学年ぐらいになると、発達障害の子も、家庭環境などに問題を抱えている子も、たくさんの不適応を経験して、大人に叱られるのが当たり前になってしまっていることがよくあります。
その子たちは、叱られることに慣れていて、大人の注目をひくためにわざと悪いことをしてしまうことが多いです。これは、大人が、子どもが悪いことをした時にばかり注目してきたことで、子どもの悪い行動を助長している結果と言えます。子どもは「大人が注目した」行動を繰り返すと考えると、褒めるだけではなく叱ることも、注目しているということになります。
つまり、大人が、その場でその子に求めている行動を、その子がしていれば注目することで、その行動は増えていきます。こういう話を保護者の方にすると、「うちの子は褒めるところがないんですよ」とよく言われます。お話を詳しく聞くと、そういうことを言われる方は、「宿題はやって当たり前。決まっている以上の量をやったら褒める」とか「友達と仲良くするのは当たり前。人助けをしたら褒める」のように、褒めるハードルが非常に高くなっています。それだけ高ければ、確かに褒めることは難しいです。
しかし、そうではありません。宿題をする時間に、宿題を始めたら「頑張ってるね」と注目していることを伝えてあげてください。宿題をやり終えたら褒めるのではありません。宿題が終わるまで待っているけど、集中が切れた時に「ちゃんとやりなさい」と注目すれば、ちゃんとやらない時にだけ大人が注目していることになり、その子は、大人に見て欲しいと思ったらわざと宿題をやらなくなってしまうのです。
今回お伝えしたことは、どんな子どもにも適用することができます。ぜひ一度試してみていただけたらと思います。
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