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どうやったら善悪を分かってもらえるの?方法と対策

発達障害のお子さんは物事の善悪をよくわからないまま生活しています。
いけないことだと言われても、なぜいけないのか、そのことをしたら相手がどう思うのかを想像する力が欠けています。

コミュニケーション能力が欠如しているからという原因があるのですが、とは言っても一般社会で生活する上では物事の善悪を分かっておかないと自分も困りますし、相手も困ります。
また、物事の善悪が分かっていないと対人トラブルのもとになります。

どうやったら善悪を分かってもらえるのか、方法と対策についてお話していきます。

目次

1.話し言葉の矯正をする

発達障害のお子さん、特に自閉症は言葉の意味を分からずにオウム返しで使ったり唐突にその場にふさわしくない言葉を使ったりします。
アスペルガー症候群の子どもは、難解な言葉を知っているものの、場面に合った言葉を選べずトラブルになることがあります。

そのため、言葉一つでトラブルになってしまうケースがたくさんあります。

少しでも「これは良くない」と思った言葉があれば、その場で矯正していく必要があります。
例えば、アニメで喧嘩のシーンが出てきて主人公が「コノヤロー!」と言っているのを見て「コノヤロー!」という言葉を覚えたとします。
自分が嫌な気持ちになった時に「コノヤロー!」と言ってしまう癖が付いてしまい、友達がぶつかってきた時にそれを発してしまうと相手も「なんだよ!」と応戦してしまい、トラブルになってしまいます。

相手が「この子は障害があるから気にしないでおこう」という気持ちになればいいのですが、それは出会う人間のほんの0.1%程度にしかなりません。
それに賭けるよりは、子どもの口癖を矯正したほうが早いです。

知らない人だけに「コノヤロー」というわけではないので、家族間でも言う可能性があります。
その際に「それは言わない言葉です」「言ってはいけません」と言い続けます。時間はかかるかもしれませんが、続けることで言わないようになります。

気になる発言が見受けられたら、その場で注意するようにしましょう。

2.悪い行動はその場で言う

物事の善悪がわからないのは、言葉だけでなく行動も含まれます。
友達に嫌なことをされたら殴ってしまう、嫌な気持ちになったら物をぶつける。
人のものを勝手に持っていってしまうなど、小学生くらいになれば自然と身につきそうな内容でも発達障害のお子さんにはわからないことが多いです。

ここでも、問題行動があればすぐに「殴りません」「物をぶつけません」「人のものは勝手に持っていきません」など注意します。
注意したいのは長く説明することです。
学年が上がってくると難しい話をすることが多くなると思います。

人を殴ったりすると「人を殴るのは犯罪だよ、暴行罪で警察に捕まるんだよ」と高学年くらいになると話せますが、発達障害のお子さんには難しい話で理解に苦しみます。

そのため、単純に「人を殴ってはいけません」と簡単な言葉にして伝えるようにします。
ただし、これだけで済む問題ではないのが発達障害児で、「殴ってはいけない」ということを覚えたら、誰かがふざけて小突きあっているところを見て「人を殴ってはいけません」と言ってしまうことがあります。

悪いことではないのですが、ふざけて小突きあっている(あくまでも仲がいい友達同士で行っていることで、いじめとは別の話)ので、本気で殴っているということではない場合、相手からしたら「別に殴ってないし、何なのお前」と逆に殴られる可能性もあります。

人のものを持っていってはいけないということを学んだ子が、スーパーで買い物をしてレジ袋に入れないで持っていったところを見て「人のものを持っていってはいけません」と言ってトラブルになることもあります。
時と場合によるというのを理解するのは発達障害のお子さんにとって難しいことで、「この場面では大丈夫」「この場面では言わないほうがいい」ということを理解するのにかなり時間がかかります。

これも根気強く繰り返し教えていくしかありません。
学校でのトラブルは学校でその場で教えてもらい、そういうトラブルがあったと連絡を受けたら、改めて家でも「人を殴るのはいけないよ、でもあなたは言わなくていいよ」などと教えていく必要があります。

大人になったらできることでもないので、いつになったら分かるようになるのかもその子どもによって様々なので、長い目で見ていくしかありません。 

最後に

発達障害のお子さんは言葉の意味や行動の意味を理解するのに時間がかかり、大人の口癖や友達の会話を聞いて意味も分からずに言葉にすることが多いです。

毎日何かしらの言葉を聞くので、毎日言葉がアップデートされて「昨日は言わなかった言葉なのに今日からすごく言い出した」などということもありえます。

行動も友達やテレビのマネをすることも多いので、「最近物をぶつけるようになってきたな」と感じることも多くなると思います。
「人を殴ってはいけません」に続けて「〇〇くんが痛がっています、謝ります」と続けると、より「これはいけないことなんだ」と学びやすくなります。

大人になっても続くことなので、辛抱強さと根気強さが必要になりますが、発達障害のお子さんは一度学ぶと律儀に守る傾向にあるので、学習するまで教えていきましょう。

そして、トラブルにならないように学校側とも連携を取りましょう。

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